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『テイルズオブシンフォニア』のロイド受けで小説を書いていきたいと思います。 今、はまっているのは、ルクロイとゼロロイです。 コメントなど頂けると、励みになります!!
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こんにちは。
かなり遅れて『シンフォニア』を知り、ロイド君が大好きになった飛翔と申します。
同士の方は、是非よろしくお願いします!
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ロイド・アーヴィング

*『力を持つ声の正体』の続きです。



「まずは自己紹介からですよね。私はエステリーゼっていいます。エステルって呼んでくださいね。」

そう言って、礼儀正しく頭を下げた少女は、ルークとアッシュの知り合いらしい。


「アッシュがずっと入院していた病院は、私の親戚の病院なんです。」

ルークたちの父親は、古くから付き合いがあり人物的にも技術的にも信用できるエステルの親戚にアッシュを託した。

 
 

「そういや、あの色白の気持ち悪い奴はどうしたんだ?逃げたのか??」

ふっと思い出したと言わんばかりにロイドが首を傾げて言った。
ロイドの、怯えや憎しみを一切感じない物言いに、クラトスやミトス、アッシュたちは目を見開き、ルークとクレスは苦笑した。

「ホンット、お前は大物だよなぁ~。」
「ロイドはロイドって事だね。」

 


「アイツは警察に突き出したよ。」

ミトスが底冷えしそうな冷たい声で言うのに、ロイドは小首を傾げた。

「え、でも警察に突き出したって、罪を認めさせられるのか?」

クヴァルがロイドにした事は、一般の警察では理解できない『力』に関わる事なので、意味がないのではないかとロイドは思った。
が、ミトスが首を横に振る。

「ロイドが赤ん坊だった頃、アイツはクラトスに怪我を負わせたからね。被害者であるクラトスが訴えれば、とりあえずその罪だけは認めさせられる。」
「あっ………そ、か…。」

ロイドは過去の光景……クラトスがクヴァルに刺される姿を思い出して、表情を曇らせた。

「お腹の傷…まだ、痛むのか?」
「っ―――――――――。」

恐る恐るといったふうに訊ねたロイドに、クラトスは目を見開いた。
そして何も答えないクラトスに、ロイドは首を傾げる。
聞いてはいけない事だったのだろうかと…。


「……ロイド、クラトスの刺された時の事覚えてたりする?」

答えられないクラトスの隣から、ミトスが顔をロイドに近付け、真剣な表情で質問した。
ミトスの雰囲気に少しおされながら、ロイドは首を横に振った。

「全然。けど、みたんだ……母さんが、見た『もの』が、まるで俺が見たものみたいにみえた。」
「ロイドのお母さんがロイドにみせた…?」

スッと目を細め、纏う雰囲気を冷たくしたミトスに気付いた訳ではないだろうが、ロイドはその質問に首を振ることですぐ答えた。
しばらく黙って目を閉じるロイドを、皆が見守る。
ゆっくり目を開きながら、ロイドは口を開いた。

「みせるつもりはなかったんだと思う。多分…ずっと俺を守る為に、俺の中にいてくれたんだ。でも、いきなりアイツが俺の前に現れて、恐怖が広がったんじゃないかな。」
「……………。」
「アイツが現れた時の事、ホントはよく覚えてないんだ。訳が解んねぇ間に<怖い>って気持ちでいっぱいになって、気付いたら母さんの過去の記憶をみてた。」
「お母様の恐怖が、流れ込んできてしまったんですね……。」

ロイドの話に頷きながらエステルが呟く。

「なの、かな?……俺が知ろうとするのを止めようとしてた。俺が俺自身の記憶として思い出すのを心配してくれてたみたいなんだけど…俺、思い出せないんだよな~。」

だって、赤ん坊だったんだし。と笑うロイドの笑顔には陰りがない。
その事に、ミトスはホッとする。
ずっと海外に行ったきりの両親を持つミトスは、身勝手な親の行為に過敏だった。
ロイドの母、アンナは違ったのだと、とりあえず纏う空気を緩めた。


「人によっては、『力』が勝手に記憶をこじ開けることもあるんだよ。生まれた瞬間を覚えてる人もいるんだ。」
「へぇ~、すっげーなぁ!あっ、テストの時に『力』使えれば、徹夜しなくても勉強した事思い出せるんだな!」
「「ぶはっ!」」

ミトスの説明に頷き、いいよなぁ~と言うロイドに、ルークとクレスが噴き出す。

「っロイド…君は相変わらず……。」
「ははっ、単純な奴っ!」

大爆笑する二人に、ロイドは頬を膨らませる。

 

「ロイドはとても強い人ですね。」
安心したように、エステルが微笑む。
ミトスはその言葉に頷き、アッシュはフンッと鼻を鳴らした。

 

 

場が和やかになり、クラトスの返答を求める流れは切り離されていた。
隣に座っていたミトスは、クラトスがテーブルの下で自らの腹を押さえているのを見た。
長い前髪で隠されたクラトスの表情は窺いようもなかったが、ロイドの突然の質問に激しく動揺しての行動だと理解していた。

古い傷は、痕は残っているものの、もう塞がっていて痛みはないと、以前クラトスは言っていた。
その傷跡は、力足らずの自分を戒めるものとも思っていそうなクラトスだ。
何の準備もないまま、ロイドの質問に答える事はできなかっただろうと、ミトスはため息をついた。
そしてコーヒーカップを口元に近付け、微笑みながら控えめな声で囁く。

「まぁ、ロイドなら、クラトスのネガティブ思考なんて全部散布させちゃうだろうけどね。」


ミトスは確信を持っていた。
ロイドの持つ、本当の意味での強い『力』は、彼の心であると。


**********************
更新、遅くなりました(汗)
待ってくださっていた方々には、本当にすみませんでした!

前回はアッシュの事を優先してしまいましたが、今回は親子に…なっていたかな?(汗)
事件後、肝心の犯人(クヴァル)をどうしたかを書いていなかったので、とにかくそれを書いてみました。
まだ書いていませんが、ミトスとアッシュはオンライン友達という感じで考えています。
出来れば、ルークとアッシュの和解(?)編も書きたいです。
ルークをロイドが救ってくれたように、アッシュにはナタリアを中心とした人たちが支えとなってくれていたと…。
アシュナタも好きなんです。
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