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『テイルズオブシンフォニア』のロイド受けで小説を書いていきたいと思います。 今、はまっているのは、ルクロイとゼロロイです。 コメントなど頂けると、励みになります!!
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飛翔
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こんにちは。
かなり遅れて『シンフォニア』を知り、ロイド君が大好きになった飛翔と申します。
同士の方は、是非よろしくお願いします!
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大きな手

*『輝き続ける光』の続きです。




今年も、朝顔がゼロスんちの庭で元気に咲いてる。
俺が水やりに来れない時は、「俺様は、面倒な事は一切しないからな~。」と始めは言っていたゼロスが、しっかり水をあげてくれている事を俺は知ってる。
だから、今年もこんなにコイツらは元気なんだ。
ゼロスにそう言うと、テレて誤魔化すから、本人の前ではあんまり言わないけど。


小学校に入学した時、俺は楽しみで仕方なかった。
だって、学校に行けばゼロスに会えるから。
今まで以上に一緒に遊べると思ったら、ワクワクして、入学式の前日なんてあんまり眠れなかったくらいだ。


でも…ゼロスはすぐに卒業しちまった。
まぁ、当然だよな。
ゼロスは俺より5つも年上なんだから。
ジーニアスやコレット、他にも友達がいたけど…なんか物足りない学校生活だった。
そんな俺も、今は高校生だ。
ゼロスが卒業した学校に比べたら、かなりレベルが低い学校だけど、俺を育ててくれた親父に恥をかかせない為にも、俺なりに努力して入れた学校だから悔いはない。
親父も喜んでくれたしな…。
本当は高校に行くつもりのなかった俺だが、リフィル先生(中学校三年の時の担任でジーニアスの姉さんなんだぜ?)に、いかに勉学が大事か教え説かれた。
ついでに親父の「俺の後を継ぐなら、高校くらい行っといたらどうだ?」って言葉もあって…。


親父は細工師だ。
大きな手で、器用に色んなものを創り出してくんだ。
俺は昔から、そんな親父を見ていた。
血のつながりはないけど、俺もそれなりに手先は器用みたいで、いつからか…時々だけど親父の隣でものを創るようになった。
親父みたいに上手くいかないし、飽きっぽい俺だけど、親父の仕事をする姿は好きなんだ。




『お前は…アーヴィングというのか?』
高校に入った時、いきなり話しかけてきた教師は…なんかすかした奴だった。
『そうだけど…。』
『…そうか。』
前髪がヤケに長いソイツは、それだけ訊くと、すぐに顔を横向けて職員室へと歩き去った。
男子剣道部に入った俺は、顧問がその教師だった事にびっくりした。
だって、ソイツ細いし(そりゃ、人の事は言えないけどさ…)、無口だったから。
けど、眼光の鋭さは人一倍で、強さも半端じゃなかった。
外見がいいから、女子からは凄い人気だったけど、部活だと真っ二つに分かれる評価。
『尊敬する先生』と『いけすかないセンコー』。
始めの頃の俺は後者だった。
でも、本格的な部活動をしていく内に、先生として認められるようになった。
的確なアドバイスを受ける度、どんどん上達してきた俺は大会でも優勝候補としてあげられ始めた。


初めて優勝した大会には、ゼロスも観に来てくれていた。
『良かったじゃねぇか。』って、笑いながら、俺の肩をポンポンしてくれた。


昔は頭だった、その行為を、数日前に拒否したのは俺だった…。
だって恥ずかしかったんだ。
『わりぃわりぃ~。』
そう言って、ゼロスはすぐに手を頭から離して肩にポンポンした。
口元は笑っているのに、俺にはゼロスが本当に笑っているようには見えなくて…傷つけてしまった事にすぐ気付いた。
でも、ゼロスはすぐに俺から離れて、行ってしまった。
それから…ゼロスは何処かぎこちなく接してくる。


そして・・・・・・・・現在に至る訳で。
俺は現在、大学に行っているゼロスの帰宅を待っている。
今日こそ、はっきりさせてやるんだと意気込んで!





「ロイド…?」
「!っゼロス!!」
突然、後ろから声が掛けられて、慌てて振り向くと、思ったとおりゼロスが居た。
が、ゼロスの隣には女の人が2人居た。
「あら、朝顔。貧乏くさい花ですわね。」
「本当に。くすくすっ。それにしても、ゼロス様?こちらの子供は?」
ゼロスに話しかけながら、くっついている女の人たち。
良く解らない感情が湧きあがる。
抑えられなくて…気が付いたら、俺は泣いてた…みたいだ。
ゼロスの目が見開かれる。
女の人のうるさい声が途切れたと思った瞬間、俺はゼロスに抱きしめられていた。
ゼロスの肩越しに、涙でぼやけている俺の視界に入ったのは、立ちすくむ女の人たち。
「っ・・・・・・・・・ぅっ・・・・・。」
涙が止まらない。
突然ゼロスが抱きしめてきて、驚いてるというのに。
「わりぃな。コイツ、俺様のトクベツな訳よ。」
顔だけ後ろに向けて、ゼロスは女の人たちに一言。
「っうわぁっ!」
次の瞬間、ゼロスに担ぎあげられた。
落ちないように、無意識にゼロスの服を掴んだ。
「大人しくしてろよ?」
言い聞かすように、優しい声でゼロスが囁いたから、俺は素直に担ぎあげられたままゼロスんちのゼロスの部屋へと運ばれた。


漸くおろされれば、背に柔らかい感触。
俺のお気に入りの、ゼロスのソファの上だった。
俺の前にしゃがみこんで、視線を合わせてくるゼロスを真っ直ぐに見つめていると、ゼロスの手が伸びてきて…優しく俺の涙を拭ってくれた。
何も言わないゼロスは、ただ笑っていた。
そして、俺の肩をポンポンと叩く。
俺は思わず、その手を掴んだ。
「止めろよっ!俺はっ…俺は・・・・・・・・・・・!!!」
掴んだ手をどうすればいいのか分からなくて…でも放したくなくて掴んでいると、不意にゼロスの逆の手が伸びてきた。
今度は…頭にその手がのせられる。
「…こっちの方が、いいか?」
「っ!」
いつの間にか俯かせていた顔をあげると、少し嬉しそうな笑みを浮かべたゼロスの顔。
また涙が溢れてきて、俺は何度も頭を縦に振った。
「そっかそっか。ロイドはまだまだお子様だなぁ~。」
そう言ったゼロスは、いつの間にか逃げ出した手と合わせ、両手で俺の頭を撫で始めた。
昔のポンポンではなく、それこそ容赦なくぐしゃぐしゃと。
髪がぐしゃぐしゃになってもいいと、今は思えた。


ただ…またゼロスの大きな手で、頭に触れてもらえている事が嬉しくて堪らなかったんだ。


「朝顔、今年も綺麗に咲いたな。」
耳に届いてくるゼロスの穏やかな声が、くすぐったかった。


**********************
前回の続き的なパラレルなゼロロイでした。
今回はロイド君視線で書いてみました。
ゼロロイといいながらも、色々脱線した事も書いてしまいましたね(汗)
剣道部顧問は勿論(?)彼です。
親子も大好きです。

何だかロイド君が我がままな感じになってしまって…次、頑張ります!
**********************

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