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「ユーリー!フレンー!!」
元気に響いてきた声に、話を中断してユーリとフレンは目を向ける。
そこには二人の想像通りの人影があった。
めいっぱい手を振って、満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくるロイド。
ロイドの両脇には、ノイシュとラピードがいて、ロイドと息を合わせて二人の所までやってきた。
「あっちでさ、人気投票っていうの、やってたんだ!ユーリとフレンはもう投票してきたか!?」
駆けてきたせいで少し荒い呼吸の中、ロイドは目を輝かせて二人に訊ねる。
ユーリとフレンは目を合わせ、揃って苦笑しながら、利き手をロイドの頭の上に置いた。
「情報遅いぜ、ロイド。あれは3日前から始まったんだとさ。」
「えぇっ!?」
「まぁ、僕らも投票してきたのはついさっきだけどね。」
「何だよ~…。せっかく連れてってやろうと思ったのにさ~………。」
くしゃっとロイドの髪を慰めるように軽く包むユーリ。
ポンポンと軽く叩いて、労わるように頭を撫でるフレン。
ロイドが、二人の大きな手に負けないように、グッと頭を上げて見上げてみると、二人はいつもの優しい笑みを浮かべていた。
励ますように、二人の手が、ロイドの頬を滑って肩を叩く。
「ロイドがこれから投票に行くなら付き合うよ。」
「あぁ。そもそもお前が見つからなくて、フレンと様子見に行ったんだしな。」
「一体何処に居たんだい、ロイド?ロイドが行きそうな所はユーリと探したんだけど…。」
二人の言葉に、ロイドは大きな目を更に開き、シュンッと肩から力を抜いた。
「ごめん、探してくれたのに………。」
申し訳なさそうにしているロイドに、ユーリもフレンも気にするなと声を掛ける。
もう一度、頭を撫でてくる二人の手に、ロイドは漸く笑った。
「アスベルにアイリリーの裏の山まで連れてってもらってたんだ。クロソフィの花が咲いてるって、教えてくれてさ。」
「「アスベルと!?」」
「うん。クロソフィの花、綺麗だったんだけど、ルークが踏んじゃってさ…。。」
「「ルークも一緒に!?」」
アスベルの名が出、驚いた二人は、立て続けにルークの名が出てきて、もう声を抑えられなくなっていた。
アスベル・ラント、ルーク・フォン・ファブレ、この二名はロイドにくっつきたがるので、要注意人物としている。
「ロイドっ!裏山にはモンスターもいるんだ!ただでさえ危険な場所へ、危険な人物と一緒に行くなんて、軽率すぎるっ!!」
「けい、そつ?」
「そうだぞ、ロイド!あの坊ちゃんズには充分に警戒しろって言っただろ!?」
「け、けーかい……???」
勉強が苦手なロイドは、二人の言葉にクエスチョンマークを浮かべるばかりだ。
「…………すぅ……くー…。」
「「………。」」
あれから、ロイドに対する説教が始まり、そこから坊ちゃんズ対策へと話が発展し、ユーリとフレンが意見をまとめてロイドを見れば、肝心のロイドは眠っていた。
飽きっぽいロイドは、二人の終わらない話し合いに欠伸をこぼし、やがて抗えぬ眠気に襲われて眠ってしまったのだろう。
肩を落とすフレンに自分も一息吐いて、ユーリは軽くコツンッとロイドの頭を叩いた。
そんなユーリを見、それでも眠るロイドに、フレンは苦笑した。
交代で二人におぶられながら、ロイドは健やかに眠り続けた。
「ユーリとフレンに一票入れたんだ、俺!」
翌朝、ロイドの作った朝ごはんを三人で仲良く食べていると、ふと思い出したと笑ってロイドが言った。
「………え?」
「おい、ロイド。それって………。」
少し頬をひきつらせたフレンとユーリに気付かぬまま、ロイドはニッコリと微笑んで言う。
「一番好きな人への投票だよ。」
二人とも、俺のかっこいい兄貴だもんな!と少し照れながらも満面の笑みで続けるロイド。
「ははっ、そりゃ…どうも。」
「あ、ありがとう、ロイド。」
『無効投票』
ユーリとフレンの頭に同時に浮かんだものは、喜びともうひとつ…。
ロイドの勉学に対する姿勢を改めさせる事であった。
(勉強ばっかりやらせる気はねぇが……ロイドの為だ。)
(一刻も早く、ロイドに最低限の一般常識だけでも覚えさせないと…。)
どこか暗い笑みを浮かべているユーリとフレンに、ロイドは首を傾げるばかりだった。
「あ、最強コンビの投票は、ユーリとフレンとラピードにしたぞ!」
「「一般常識ぃぃーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」」
兄たちの苦悩はまだまだおさまらない………。
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気が付いたら投票が始まってますね、テイルズチャンネルw
迷わずロイドに一票入れてきたのですが、迷ったのはコンビでした。
ロイドは決定として、さて相棒は誰に…。
相棒にしたい相手が多すぎて挫折しました……(__;)
って、事で初の下町コンビ+ロイドです(^^;)
ロイドがモトなら、誰でもOKだっ!!
親子長編の続きが、上手くまとまらなくて唸る毎日です…。
もう少々お待ちくださいね(汗)
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