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『テイルズオブシンフォニア』のロイド受けで小説を書いていきたいと思います。 今、はまっているのは、ルクロイとゼロロイです。 コメントなど頂けると、励みになります!!
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飛翔
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自己紹介:
こんにちは。
かなり遅れて『シンフォニア』を知り、ロイド君が大好きになった飛翔と申します。
同士の方は、是非よろしくお願いします!
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輝く存在

*『再会は偶然の闇の中で』の続きです。




「彼の名は、ロイド・アーヴィング。現在は17歳…と書類上ではなっているけれど、孤児だった為に、正確な生年月日は不明となっているわ。」
「孤児…だった、とは?」
「えぇ…。幼い頃に、引き取られているわ。」
「…アーヴィングという姓は、引き取った家のものか?」
「いえ、違うわね。」
「…そうか。」
マーテルから顔を窓の方へと移し、空を見上げるクラトス。
窓の外は、雪がちらついていた。





年末コンサートの後、ロイドという少年と会って以来、少しばかり様子が変わったクラトス。
ロイドという名が、彼の息子の名と同じであった事を知っているユアンは、何度もクラトスに言った。
「生き別れた息子かどうか確かめろ!」と。
けれど、クラトスは首を縦にふる事はなく…。


結果、ユアンは勝手に、ロイドという少年を探させた。
(全てマネージャーであるボータ任せ)
手掛かりは少なかったが、有能なボータは、様々な方法を使い、少年を見つけ出し、個人情報を調べ出した。
そして、その情報をクラトスに押し付けようとし、拒否され…結局、マーテルから穏やかな状況を生み出してもらい、伝えてもらう事にした。
やはり気になっていたクラトスは、マーテルの言葉を素直に聞き入れていた。
大方の情報を伝え終えたマーテルの横で、ユアンは視線をクラトスへと向けるが、彼の視線はずっと窓の外へと向けられていた。



『孤児』と、呼ばれた過去を持つ者の正確な個人情報は、皆無に等しい。
マーテルが読み上げた情報だけでは、ロイドという少年が、クラトスの死に別れたと思われていた息子かどうか、ユアンにもマーテルにも分からない。


視線を外から動かさないクラトスに、二人は、クラトスにも判断がつかないのだろうと思う。




だが、クラトスの思考は二人の思うところとは全く違っていた。
クラトスは覚えている。
いや、忘れる事などありえないだろう。
彼が唯一、愛した女性の姓―――アーヴィング―――という言葉を。



孤児だったというのに、引き取り先の家の名字とは違う姓を持っている少年。
クラトスは、限りない程、遠かった希望の…可能性の光が近付いているのを感じる。
急く心を、必死に押しとどめる。
あくまでも、可能性は可能性…間違いないと言えるほどの証拠はまだないのだから………。










「ロイドー!」
遠くから自分を呼ぶ声が聞こえて、ロイドは振り返る。
「お、ルーク!」
そこには、こちらへと駆けてくるルーク…友達の姿があって、ロイドは足を止める。
「あ、あのさっ!一緒に、帰らないか…?」
駆けてきたせいか、少々顔が赤くなり、どもるルークの言葉に、ロイドは笑う。
「あぁ、今クレスに鍵渡してきたトコだから、帰ろうぜ。」
快く返事をするロイドにホッとして、ルークも笑った。


ロイドとルークは、アルバイト先から出て、帰路についた。
二人は学校も違えば、育った環境も何もかもが違った。
だが、アルバイト先で出会った二人は、同い年という事もあり、すぐに打ち解けた。
ルークは、人付き合いが苦手な方だったが、ロイドとはすぐに仲良くなれた。
自分とは全く違う考え方を持ち、常に真直ぐに前を向いて歩くロイドに、ルークは惹かれたのだ。
お坊ちゃま育ちで、少し常識が抜け落ちているルークが必死にアルバイトを頑張っている姿を目にし、ロイドもルークには好感を持っていた。
ちなみにクレスというのは、二人のアルバイトの先輩だ。


「あー、もうすぐ新学期だな~。」
「そう、だな。学校が始まったら、バイトもこんなに出来ないよな…。」
何気ないロイドの一言に、ルークはボソリと呟いて、一人落ち込む。
「ルークも冬休みの宿題終わってないのか!?同じだな!」
何処か嬉しそうに微笑みを浮かべるロイドに、ルークは苦笑しながら「そうじゃないけど…」とだけ返す。
「ジーニアスに訊くのも無理だしな~。」
時々出る、ロイドの幼馴染の名前に、ルークは笑う。
「例の中学時代の先生が、居るからか?」
「そうそう!はぁ~、リフィル先生、なんであんなに勉強ばっかさせるかなぁ~。」
いつもの愚痴を口にするロイドに、ルークは、とっさに思い浮かんだ事を、そのまま口にする。
「あ、ならさ!俺が教えるぜ?………あっ。」
口にしてしまった後に、慌てるルーク。
別にやましい気持ちがあった訳でもないのに、意味もなく頭の中が真っ白になる。
拒絶されたらどうしようかと、またネガティブな方へと向かっていくルークの思考を、ロイドの一言が打ち消した。
「いいのかっ!?サンキュー!!!」
「えっ…。」
「助かるぜっ!」
満面の笑みを浮かべるロイドに…しばし固まったルークは、照れくさくて頭をかいた。
ロイドの存在自体が光なのだと、ルークは今日も思う。


明日、バイトの前に、ロイドの宿題をルークが見る約束をしていた時だった。
突然、歩く二人の前に黒い高級車が止まる。
特に気にするでもなく、二人は車の横を通り過ぎようとしたが、次の瞬間、開いた車のドアから伸びて来た手に、ロイドは腕をつかまれる。
「っ!?」
「っ、ロイドっ!!!」
ルークがロイドに手を伸ばすも、ロイドは瞬く間に車へと引きずり込まれ、車は走り始める。
「ロイドーーー!!!!」
ルークは、車を追いかけるが、車はどんどん速度を上げ、ロイドを引きずり込んだドアは閉められる。
車との距離が開いても、とにかくルークは車を追いかけ続けた。




**********************
親子話とカテゴリーを区切りながらも、ルクロイちっくになりそうです(汗)
ルクロイで、親子話。…という感じになるかと思います。

続きますっ!
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