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『テイルズオブシンフォニア』のロイド受けで小説を書いていきたいと思います。 今、はまっているのは、ルクロイとゼロロイです。 コメントなど頂けると、励みになります!!
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飛翔
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自己紹介:
こんにちは。
かなり遅れて『シンフォニア』を知り、ロイド君が大好きになった飛翔と申します。
同士の方は、是非よろしくお願いします!
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希望の光

「俺……お前みたいな友達がほしかった。」
それは、つい口に出してしまった本音。

言っちまった!
…って、焦ったおれの耳に届いたのは、予想もしなかった言葉。

「欲しかったって、もう友達だろ?」

その言葉が、俺にとってどれだけ嬉しかったかなんて…きっとお前は知らないんだろうな。

 


ロイドとクレスと(おまけのミュウも)一緒に歩きながら、色々な話をした。
2人ともそれぞれに仲間が居て、旅をしているらしい。
歩きながらも、気になるものを見つけると、すぐに駆け出すロイドは、見ていて何だか面白い。
ただ、何処か危なっかしい感じもするから、内心冷や冷やしながら、ロイドが単独で駆け出す度に、俺とクレスは後に続く。

リーダーっぽくて、上手くまとめてくれるのは、クレスだが、ロイドも何処かリーダーっぽい一面があるように思える。

無鉄砲ではあるけれど、恐れず、しっかりと前を見据えている瞳は、ひどく輝きに満ちていて…綺麗だ。
顔立ちは17歳にしては幼い方だと思う。
でも、ロイドが歳より幼く見えるのは、きっと顔立ちだけじゃないだろうな。
ふとした瞬間に浮かべる微笑みが、あまりにも無邪気で…裏表を感じさせないものだから、彼はとても純粋なのだと疑う気にもならない。

 

 

 


それぞれの世界へと別れる刻が近付いた時、俺の身体の中はざわついていた。
嘗て一度として感じた事も無い…焦り、のようなもの。

気が付くと俺は、必死にロイドに話しかけていた。
別れを惜しむ…なんて、簡単に表現できる気持ちじゃなくて…もっと、切羽詰まった…感情からの行動…。
ロイドは無邪気に笑いながら、俺の話に耳を傾けてくれた。
楽しい、幸せな時間…。

 

それでも、別れの刻は…必ずやってくるんだな…。


クレス達が一番に自分の世界へと還って行った。
そして…続いたのはロイドたち、だった。

何だかんだで、最後には全員が気が合う者同士で話し合っていたから、別れを惜しんでいた。

「へへ、楽しかったぜ。勉強になった。」
ロイドが残っている俺達に向かって笑いながら言う。
ロイドの仲間達が続けて、何か言っているが、俺の耳には入ってこなかった。
俺の目は、ロイドしか映していなくて…もう会えないのかと思うと、余計に目をそらせない。
ロイドの周りに光が立ち込める。
姿が光に覆われていくのを見て、心の何処かが悲鳴を上げる。

止めたい!
俺は…もっとロイドと一緒に居たいんだっ!
もっと色んな話をしたい!
もっと、もっともっとロイドと…っ!!!

「っ!」
消えかかっているロイドが口を動かしているのが見えた。
彼は真っ直ぐ俺を見て微笑んでいた。
彼の姿が消える前に、俺は何度も首を縦に振った。

…最後、光の中に消える瞬間、ロイドは悪戯っぽく笑っていた。

ロイドが最後に俺にくれた言葉を…俺は忘れずにいたい。
例え、もうロイドと会う事が不可能だとしても……それでも…。

 

『お前のいいところ、忘れるなよ?』


**********************
初のルクロイでした!
ファンダム2のルークとロイドの会話が好きです。

今後書く話は、恐らくパラレルのものが多いと思います。
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お年玉の作り方

「おっはよー、ルーク!…あれ、どうしたんだ?」
「ロ、ロイドっ!お、おはよー!」
突然ルークの背後から声をかけたのは、朝から元気なロイドだ。
振り向いて、相手がロイドだと分かった途端、緊張したルークが大きな声で返事をした。
そんなルークに活気に笑いかけるロイドは、ふと視線をルークの机の上に落とす。
「んで、何か困ってたみたいだけど。どうかしたのか?」
「あっ…いや……。」
言葉を濁すルークは、無意識に両手を机の上の複数の小さな長方形の紙袋の上へと落とした。

 

「…………。」
ルークがあまりにも沈黙を守っているので、ロイドは訊いてはいけない事だったかと、漸く理解する。
「あっ、ご、ごめんな!誰だって、触れられたくない事ってあるよな!ホントごめん!!」
慌てて離れたロイドの申し訳なさそうな顔を見て、ルークはロイド以上に慌てだした。
「ちっ、違うんだ!そうじゃなくて…あっ、だから待てって、ロイドっ!!」
180度回転して立ち去ろうとしたロイドの腕を力任せに引っ張ると、ロイドの細い身体が呆気なく傾いて…。
「…っぅわぁ!?」
「ロイっ、ぐはぁっ!」
結果…ロイドは引っ張られるままにルークの方へ倒れ込み、それを支えそこなった(椅子に座っていたのだから当たり前ではある)ルークごと、2人は床に重なって倒れ込んだ。

 

「あーぁ、何やってるんだよ、お前らは?」
「いててっ…あ、ガイ、おはよー。」
「おう、おはよ、ロイド。で、ルーク?…大丈夫か?」
ロイドの下敷きとなったルークは顔を真っ赤にして硬直している。
自分が重しになっていた事に気付いたロイドは直ぐにルークの上からどいて、ルークに手を差し出す。
「わ、わりーな、ロイド。」
「俺こそごめんな。」
ロイドの手を借りて立ち上がったルークの顔は相変わらず赤い。
そんなルークの様子に全く気付いていないロイド。
そして、そんな2人を見守っていたガイは、次の瞬間、先程までルークが机の上に置いていた複数の小さな紙袋の1つを拾い上げる。
「あれ、これって…。」
「あー!ガ、ガイッ!!」
紙袋をじーっと見つめるガイから、それを取り返すと、ルークは慌ててポケットにしまい込んだ。
床に散らばった他の紙袋も回収してポケットに押し込める。
「ほら、これも。」
全て回収したと思った矢先、ロイドから紙袋を渡され、急いで受け取るルーク。
「お前、何をそんなに慌ててるんだよ?別に隠すものじゃないだろう?」
学校に持って来るものでもないけど、と続けるガイに、ルークは嫌そうな顔を向ける。
「?ガイは袋の中身、知ってるのか?」
苦笑するガイに、ロイドが控え目に訊ねる。
「え?…あぁ、そうか。一般的に使われてる訳じゃないもんな。あの袋にはお年玉が入ってるんだよ。」
「おとしだま?…小さなボールが入ってるのか?」
「ははっ、違う違う。お年玉っていうのは、お小遣いの事だ。」
お年玉という言葉に疑問符を浮かべるロイドに、ガイが説明を始める。
「年が明けてめでたいって事で、大人たちがルークみたいなお坊ちゃんに、お小遣いをやる行事みたいなものがあるんだよ。」
「へぇ~、貴族の家って、太っ腹なんだな~。」
悪意のない、感心したような声で言うロイドに、ルークは複雑そうな顔をしている。

「嬉しくないのか、ルーク?」
すぐにルークの様子に気付き、ロイドが訊ねる。
「そーゆー訳じゃねぇんだけどさ…。なんつーか、俺ももう17だし、いつまでもガキ扱いされんのが、なんか…。」
言葉を濁すルークに、ガイは苦笑する。
「お前を可愛いと思ってこそのお年玉だろ?素直に喜べよ。」
「…………。」
ルークは顔を俯かせた。


もうルークも17歳。
この世界(勝手な設定です)では、立派な成人の歳である。
この歳で、可愛いだのなんだの言われるのは、正直嫌だったのである。


「なぁ、ルーク。大人たちがくれるお小遣いって、どうやって生まれてるか知ってるか?」
不意に、ロイドがルークに声を描ける。
「小遣いの生まれ…?」
妙な言葉にルークが、思わず顔を上げる。
そこには微笑みながらも、ちょっと真剣な顔のロイド。
ロイドは続ける。
「大人はさ、自分たちで稼いだお金でお小遣いを作ってるんだぜ?」
ロイドの言葉に、ルークもガイも目を見開いた。
「ガキ扱いされるのも学生のうちだって。働き始めたらさ、今度は俺達がお小遣いを作るようになるんだぞ。そんで、今までガキ扱いしてくれた大人たちへ復讐!な?」
「ふっ、復讐!?」
不穏な言葉にさぁーっと顔を青くするガイに、ロイドは慌てて首を横に振る。
「違うって!復讐ってのは、今度は大人たちを俺達が甘やかすって事!!」
「甘やかす…。」
ロイドの言葉の一部を小さく復唱するルークは、思考顔だ。
「ガキ扱いしてくれた礼と、可愛がってくれたお返しって事だよ。」
ニコリと爽快に微笑むロイドに、ルークは心のもやもやが消え去るのを感じた。

「そっか…。そうだよ、な…。」
納得したように、ルークが声を出す。
「そう考えると、先が楽しみだろ?」
いたずらっ子のように目を輝かせるロイドに、ルークも満面の笑みを浮かべて頷いた。
「あぁっ!」

 

気が付けば、元気になって、ロイドと一緒にはしゃぐルークに、ガイは微笑んだ。
ネガティブ思考になりがちな自分たち(ルークを筆頭に)に、ロイドはいつも思いもつかない発想を聞かせてくれる。
そしてそれはいつも心を温かくしてくれて、ネガティブだった思考を散布させる。


(ロイドは本当に…大物だよな。)

 


こっそりと2人から視線を反らし、ガイは、廊下へと出る。
廊下の少し先には赤の長髪の男が2人、揃って歩いている。


「だから言ったでしょうよ?お前の心配なんて杞憂だって。」
1人が引っ張られながら歩いている。
引っ張っている方の赤髪の男は、そのまま歩き続ける。
「うるせぇっ!俺はあいつの心配なんてしてねぇっ!!」
「はいはい…。って、俺様を引っ張るのやめてくんない~?ロイド君に会いに来たのにさ~。」
「…今はやめとけ…。」


そんな声が、ガイの耳に届いてくる。
思わず吹き出すガイ。
引っ張られているのはゼロスで、苛々しながらもゼロスを引っ張っているのはアッシュだった。
「兄貴分も苦労する、かな?」
ガイの独り言は、チャイムの音に消された。



**********************
お正月という事で、お年玉ネタです。
皆様、明けましておめでとうございます!
皆様にとって良い一年になりますよう、お祈りしております。


ルークとロイドは同じクラス。
ガイとゼロスとアッシュに関しては…深くは考えていません(爆)
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導きの手

*設定は親子(現代+パロ)のものです。
内容はルクロイの出逢いです。



「ルークっ!あぁ、良かった…」
泣きながら抱き締めてくる母上の口は、確かに俺の名を呼ぶのに、その目は[オレ]を見てはいなかった…。


兄が重い病で倒れた時、元々体の弱い母上は、ショックで食事が喉を通らなくなった。

意識の戻らぬ兄、アッシュ。
痩せこけていく母上。
…父上は、金にものをいわせ、母上を救い出すすべを見つけ…実行した。


自分たちの息子は、初めから1人だった事にしたのだ。
アッシュの名は、母上の記憶から消され…『重い病にかかった愛しい息子』は、[ルーク]になった。

俺は、アッシュを忘れた母上が望む通りに、ファブレの名に相応しい品格を得る教育を受け、半ば軟禁状態で16歳まで育った。


そして、半年前…アッシュの意識が戻ったと海外の大病院から連絡が入った。
父上は大喜びし、俺と母上を連れて、アッシュのもとへ急いだ。
アッシュに「母上」と呼ばれた瞬間、母上の記憶は戻った。

母上は自分の弱さを恥ながらも、アッシュを抱き締めていた。
その目は…しっかり『アッシュ』を見つめていて…俺は怖くなった。

アッシュが戻ったならば、俺は用済みなんじゃないかと……。




俺は、ずっと自由になりたかった。
自由に外に出たかった。
不満ばかり口にしては、使用人たちを困らせてきた………。
…今思えば、我儘三昧だった。

アッシュは家には戻ってこなかった。
そのまま海外でリハビリをする事にしたらしい。
その事に、少しの寂しさと…安堵を覚えつつ、感覚のない日々を過ごした。




そして、俺は出会ったんだ………。




『何やってるんだ、お前らっ!?』
真っ直ぐな瞳は、強く降り続ける雨の中でも、少しも揺るがない。
俺の胸倉を掴んでいた奴の顔に向けて、ビニール袋が投げられた。
『がっ!』
胸倉から手が離れたと気付いた時…俺は既に、走り出していた。
暗闇をさ迷っていた心を、光へと導くように、温かい手が俺を引っ張っていたから……。


連れてこられた先にあったのは、喫茶店だった。
木材で出来た古臭い建物……けれど、中の少し暗い灯りは優しくて…温もりみたいなものを感じた。

『わりぃ、クレス。少しだけ匿ってくれ。』
息を乱し、俺の手を握ったまま、カウンターに立つ男に話しかけるソイツ…。
『構わないけど…。あまり危険な事に首を突っ込んじゃだめだよ、ロイド?』
穏やかに笑いながら、男は俺たちをカウンターまで招いた。

座ると、漸く俺の手を放し、ソイツは笑った。
『お前、珈琲好きか?クレスの入れる珈琲は美味いんだぜ!苦いのダメな俺でも飲めるんだ。』
『……………。』
『?どうした?』
あまりにも真っ直ぐに笑いかけてくるから、どう返していいか、解らない俺に、珈琲が出される。
『どうぞ。』
『えっ、……あ、……えっと。』
思わずポケットを探ると、カウンターの男が苦笑しながら言う。
『お金はいいよ。まだ準備中だから誰もいないし、1人分入れるのも2人分入れるのも、そう変わらないから。』
『早く飲んでみろよ。絶対美味いって思うからさ!』
隣のソイツにも進められて、カップに口を付けて傾ける。
『っ…。』
熱いコーヒーが、ついさっき殴られて切れた口内を刺激する。
思わず顔をしかめると、ソイツの手がスッと俺の頬に触れた。
『…結構殴られた、みたいだな。』
どこか痛そうな顔をするソイツが、不思議で仕方がなかった。
殴られた痛みを超越する手の温もりに…気がつけば俺は縋りついていた……。



『俺はロイドだ。よろしくな、ルーク!』
満面の笑みと共に差し出された手を、強く握り返す。
『よろしくな、ロイド。』

俺は、ロイドが『FANDOM』という、その喫茶店でアルバイトをしているのだと聞き、自分も働きたいと、クレスという男に頼み込んだ。
クレスは快く承知してくれ、ロイドも変わらぬ真っ直ぐな笑顔を向けてくれた。


思わず縋りついてしまったロイドの手…………。
俺の手とあまり変わらない…いや、比べたら俺より少し小さい位なのに、ロイドの手はあたたかい。
彼の心と同じように…。
縋りついた俺を、少しも不審な目で見る事なく……ただ驚いて、そして俺の手にもう片方の手を重ねてくれたロイド………………。
ロイドは、何も話さない俺に、無理に話さなくてもいいと言って、笑った。


街を彷徨い歩いていたら、からまれた。
3人に囲まれたが、恐怖心はなかった。
小さい頃から、護身術は習っていたから。
だが…いざ手を振りかざすのを躊躇ってしまった。
習ってはいても、実際に人を傷つけた事はなかった。
俺は…誰かを傷つけて堪えられる程の強さすら、持ち合わせてはいなかったんだ。

…そうロイドに言ったら、ロイドは怒った顔をして言った。
『そんな強さ、意識する必要ないだろ!』
不要だとは言わなかったロイド。
『逆に、何かを傷つけても何も感じなくなっちまったら…ダメだろう?』
真剣な言葉から溢れてくる優しさ。
ロイドの言葉は、何処か説得力があった。
明確な理由がない言葉…。
もっともらしい理由がついていないからこそ、スッと心に染み入ってきた。


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ルーク視点で、過去ネタ。
現代親子パロなのに、パパは出てきません(汗)

あくまでも番外編ということで…。
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